ボディ・プロジェクトとは


 

 「ボディ・プロジェクト(Body Project)」とは、認知的不協和を起こすことで身体イメージを受容する方法を概説したものです。

 この介入法は、スタンフォード大学、テキサス大学オースティン校、オレゴン研究所で開発され検証されてきた、摂食障害の危険因子 に関する 16 年に及ぶ研究成果の集大成です。これまでに世界中で 100 万人を超える若年女性たちがこの介入プログラムに参加してきました。

 

 介入プログラムは言語・筆記・行動によるエクササイズから構成され、参加者は週に1 度の計 4 回のセッションにおいて、女性に浸透しているやせ理想を自分から積極的に批判的に評価し、それを表現してもらうことになります。

 

 これまでの研究から、これらのエクササイズが適切に実行された場合には、将来の摂食障害のリスクの低減や心理機能の改善に加え、やせ理想の内面化、身体不満足感、ネガティブな気分、ダイエット、そして摂食障害症状の低減などの結果をもたらすことが明らかにされています (Stice, Marti, Spoor, Presnell, & Shaw, 2008; Stice, Mazotti, Weibel, & Agras, 2000; Stice, Shaw, Burton, & Wade, 2006)

 

 現在、ボディ・プロジェクト以外の身体イメージを受容する介入法や他の摂食障害の予防プログラムの中に、将来の摂食障害発症について統計的に有意な低減効果、他の介入を上回る有効性、3 年間のフォローアップにおける効果の維持、そして、独立 した研究チームにおける効果の再現といった点をクリアしたものは他にありません。 

 

 

身体イメージの受容介入マニュアル認知的不協和強化版(オレゴン研究所)日本語版より抜粋